今日に2回目の「相棒」を観ました。
で、結論。
ここから先は基本的に「相棒」を知っている人向けの書き方をしています。なので詳しい説明無しです。
「相棒劇場版」は相棒ではありませんでした。残念な失敗作です。
まずキャラクターがたっていない。土曜ワイドからテレビシリーズをかけて作り上げてきた各キャラクターと「相棒」の世界観を完全に崩してしまいました。メインキャストのすべての立ち位置がぼけていました。得に右京さん。貴方があの結末で何も言わないのはおかしい。唯一キャラクターを活かし切ったのは雛子議員でしょう。
そしてストーリー。事件の舞台が大きくなったから警察の多くの部分が絡み、更にお偉いさんが指揮を出す。それなのに事件そのものに係わっているのは一部のキャラクター。そして事件に直接介入しない指揮陣。かえって、事件そのものを追っていたのが特命係だけで奮戦していたのならあの流れでも納得いくのですが。
更に犯人です。「相棒」の世界観の犯人らしくない。真面目な犯人が劇場型犯行をしていく。子供の事を思って政治家・国家にその想いをぶつけ外に出そうとしているのに、チェスを使ったゲームのごとく犯罪をしていく。あれで子供の復讐をする親として良いのでしょうか?あれでは元の事件への冒涜とさえ思えますし、親がチェスになぞらえてゲームとして犯罪を動かしていくのは純粋な復讐になるのでしょうか?少なくともテレビシリーズの「相棒」での犯罪者は本当に真摯な犯罪者か、いってしまった犯罪者。それでも正論として犯罪を許さず、また生きる事を諭していく右京さん。劇場版の犯罪者は真面目で真摯な動機を持ちながら犯罪をゲーム化する。そこに怒りをぶつけるならまだしも同情していく。これは「相棒」ではない。犯人役の西田さんは残念でした。
そして犯罪そのものの原点である事件。紛争が続く国でボランティアで子供達の面倒を見ている青年が誘拐され身代金を要求される。日本政府は紛争国からの退去命令を無視して誘拐された青年なのだから助けなくても良い、と云う判断をしてマスコミもその論調で動く。青年は死に、親がその時の論調を作ったコメンテーターやマスコミを殺し、最後に当時の総理大臣に詰め寄ろうとする。事件の解決は日本政府の出した退去勧告が青年に届く前に誘拐されていたと云う事が暴露され終わる。映画もそれで終わる。それでは退去勧告されていた国にとどまっていた青年は見殺しにして良いと云う論調になった当時のマスコミを認めた事になります。日本国のパスポートを持っている以上国はその国民を全力を挙げて保護する義務と責任があるのです。それが正論なのです。政治論として少数より多くの国民の幸せをと云う考え方もあります。でも基本は「国民を守るのか政府」です。で、今回の映画では国民を守る行為は「退去命令を出す」こと一点。
どうもこの国は、ライオン髪の方が政府の舵取りをしてからやたらに「自己責任」という言葉を独り歩きさせて国の責任を回避する事しか考えなくなった。「美しい国」なんて言った人もいましたが、永六輔さんが「やさしい国であってほしい」と云う意味の事言ってらっしゃいました。私も「やさしい国・日本」であって欲しいと思います。
閑話休題
右京さんは「たとえ、退去命令を無視していたとしても国民を守らないで何か国家ですか」と小野田官房長に噛み付いて欲しいものです。それが右京さんの立ち位置のはずです。いつでも正論を吐くのが右京さんのはずです。それがない。あの結末では青年は救われていないのです。
映画化を履き違えたのではないだろうか?予算があって、テレビシリーズでは出来ない事が出来る。だから大きなことをやろう。そうではなく、じっくり画面作りストーリー作りが出来ると考えて欲しかった。劇場版だからマラソン大会でしょうか?あの意味のない爆発は何でしょうか?あんな事でお金と労力を使うのなら、事件の本質をテレビシリーズの様にじっくり描きこんで欲しかった。
私が今年見た映画の中で残念ながら最低です。ちなみに、私が今年見た映画は「ライラの冒険」「ワンピース」「ドラえもん」「時をかける少女」「うた魂」「こなん」。
前にも書きましたがファンは映画館に足を運ぶべきです。映画とビデオではフォーマットが違いますから、別作品として捉えるべきです。ファンならどんな作品でもしっかり観て次に続けてもらいましょう。そうでなくては次の作品が作られなくなってしまいます。
最近のコメント